手術日:手術直後

手術日:手術直後

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  • 入院生活, 手術

「Norikoさーん、Norikoさーん、聞こえますかー?」と耳元で叫ばれてなんとなく目が覚める。
身体は全く動かない。


目がうっすらと開くか開かないか。
口には麻酔の器具ががっつり刺さってる。
「今から麻酔の器具を抜きますからねー」
のどに刺さったがっつりした器具が抜かれる。ううっ。
次に、肺にまで届いてるんだっけ?そのチューブを抜かれる。
これがまたけぽけぽっとしたイヤーな感じの抜かれ感。
でも気持ち悪くはならなかった。
けぷんけぷん、って感じにのどが何かが詰まっている感じ。
「はい、ベッドに移動しますねー」と手術台から元々の私のベッドに移される。
頭に一人、身体にはおそらく4人の人の手がかかった感触。
せーので移された。

「これからお部屋に戻りますからねー」と云われ、ごろごろごろと運ばれている。
途中、ガタンとどこかにぶつかったらしく、それはおそらくイケメン先生のせいだったらしく、「もう何某先生もっと優しくしてくださいよー」みたいなやり取りが和やかにあった。
私としては、まだまだ朦朧としていてややもするとまた眠くなってくるものだから、そういう刺激があった方がいいのかもしれない。
というより、何だかやたらに可笑しかった。

部屋に戻され、酸素マスクをあてがわれる。
意識は混濁。
部屋に戻ってから「気分はどうですかー」と聞かれた。
「チョー眠い、チョー気持ちいい」って云ったのを覚えてる。
とにかく体が動かず、やたら機嫌がいい気持ち。

夫もベッドの横に呼ばれていた。色々ペラペラ喋った気がする。
段々私の意識もはっきりしてきて、術後すぐに説明があった内容を教えてくれる。

チョコレート嚢胞。こぶし大。
録画した実際の動画で説明があったらしく、摘出した右卵巣の写真も撮っといてくれたらしい。
良性であろうと思われるが、予定どおり一か月の病理診断に出す。
子宮と癒着もしてたけど綺麗に洗浄して、OK。
左にも数個ブルーベリーがあるらしいが、こちらは焼き切っておいたので、今後はピルなどで対応していくことになるだろう、とのこと。

リンパ節も外来の先生がちゃんと触って、腫れてないことを確認してくれたらしい。
こんなに色々判るんだから、大変だけど開腹してよかったなあと思った。

痛みは全然なかったのに、さすがに麻酔が切れてくるとずきずきしだす。
そのきっかけが、指に着けた「ピッピッ」となるやつ。
あの音がゆっくりになったり、音程が下がったりするとやたらおかしくなって笑いたくなり、そこで傷に響いて「ぎゃー」となる。笑うの禁止なのって本当なんだなあ。
その後もいろんなことがおかしくて、ひーひー云う羽目になっている。

痛み止めの薬は、注射器のようなポンプのものを枕元に渡され、痛くなったら一回押して使う。
6.jpg
背中に冷たい液がちゅーっと流れていくのが判る。
これで少し楽になるかと思うとホッとする。

酸素マスクは3時間で外された。
酸素は傷の治りがよくなる効果があるとも聞いたことがあるので、ずっと吸っておきたいくらい位だった。
酸素のボンベで泡がこぽこぽこぽと沸き立つ音が、何やら小川のそばで寝ているようなそんな心地よさもあった。
夫が帰る頃まではおそらくうつらうつらまどろみながら過ごしてたかも。
確固たる記憶がほかにない。
多分、先生たちも顔を出してくれた気がするのだけど、あまり覚えていない。
iPhoneを取ってもらい、上司に報告メールしたり、Tweetしたりしたくらいかなあ。

尿道カテーテルが刺されているおかげで、全く起き上がれず、横たわってるだけなのに全然トイレに行きたいと思わない。不思議な初めての経験だ。

20時になり、夫も名残惜しそうに帰る。
私もだけどどうしようもないしね。

ここから噂の眠れぬ夜がやってくるのだった。

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About

区の検診で、突然「卵巣がんの疑い+リンパ節多発転移」と云われて始まった一連の記録です。
開腹手術の結果、子宮内膜症性卵巣嚢胞(しきゅうないまくしょうせいらんそうのうほう)ともいわれるチョコレート嚢胞と診断されました。

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Noriko:発覚当時45歳、既婚、妊娠分娩の経験なし。

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